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三島手話サークル よつば友の会

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ミニ講演2 夜の部

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2013年2月27日掲載

今回のミニ講演を担当してくれたろう者の方は、
子ども3人を立派に育てあげた偉大な母。サークルの姉御的存在です。
テーマは「生い立ち 今まで」
前に立つと「今までに困ったこと?ないなぁー」と話し始めました。
 
ろう学校の幼稚部に通っていた彼女は、
発音が上手にできるからという先生のすすめで
普通の小学校に1年遅れで転校しました。
授業は先生の話が聞こえないのでわからず、
隣の人のノートを見て勉強していたそうです。
「でも母が厳しかったので学力はそのまま。
遅れることはなかった」という言葉に
陰での努力がうかがえました。
 
社会に出てから美容師見習いをしていた時期。
シャンプー中はお客様の顔にガーゼがのっていて
口が読めないので
「熱いですか?」「かゆいところはありますか?」ときいて、
隣でシャンプーをしている従業員が首を振るのを見て
確認するということもあったそうです。
 
子育て中も特に困ったことはなかったという彼女。
最近になって赤ちゃんが泣くと光で知らせてくれる機械の存在も知ったけれど、
当時は夜も補聴器をつけたまま寝るという方法で
対応していたそうです。
出産後に聴力が落ちてからは長男が活躍。
ヤカンのお湯が沸いた音や電話の音などのちょっとした生活音も教えてくれて助かったそうです。
 
彼女が手話を使い始めたのは
このサークルに入ったことがきっかけ。
旦那さんの知り合いに誘われて入ってみたら
手話を知って性格が明るくなったそう。
「昔は暗かったのにねー。不思議だねー。」と。
確かに今の姉御からは、まったく想像できません!
 
現在の職場はスーパーの鮮魚部。
お刺身の指名がくるほどのベテランで、
お盆・お正月は指名が多くて忙しいそうです。
そんな職場での悩みはマスク。
鮮魚部なのでみんなマスクをしていて口が読めず、
会話のときだけはずしてもらうそうです。
それでも難しい口話の読み取り。
例えば
「きゅうり」と「キウイ」や
「たまご」「たばこ」「なまこ」などは特に難しい!
「10個」と「15」も見分けにくいので
さすがにこれは指で表してもらったそうです。
 
最後に質疑応答で印象的だった話を。
「母はずっと手話はだめだと言っていた。
でも私の息子の説得で手話が必要だと納得してくれた。
まあ、いつか母が口をはっきり開けられなくなったら
口を読むこともできなくなるかもねー」
話をきいていると苦労の多い彼女の人生。
サークル員はみな、大変だったでしょう?
困ったでしょう?ときくけれど、彼女は首を横に振ります。
「ま、性格だね!」と口を大きく開けて笑い、講演は終了。
 
一口に「ろう者」といっても十人十色。
他の方の講演も楽しみです。