ミシマサイコの会

「ミシマサイコの会」(東海道箱根西坂〜三嶋宿)は、設立5周年が経過しホームページを開設しました(令和元年7月31日)。


東海道箱根西坂〜三嶋宿「ミシマサイコの会」ホームページでは、トップページに加え、「ミシマサイコの会」会員紹介・活動紹介(開催イベント、”豆州ミシマサイコ種まき体験会”の輪)、「ミシマサイコ」情報・栽培情報、サイコ/柴胡、ミシマサイコの効能、外部リンクページなどがあります。「ミシマサイコ」をキーワードに本サイトに皆さまのお持ちの歴史的、または、科学的な情報諸々をお寄せ頂き本サイトに掲載させて頂けますと、大変ありがたいです。
勿論、情報提供以外、ご意見・ご感想も大歓迎です。
東海道箱根西坂〜三嶋宿「ミシマサイコの会」に興味のある方は、どなたでも会員登録しミシマサイコを盛り上げる活動を始めることができますので、いつでもご連絡お待ちしております。

⇒「ミシマサイコの会」 mishimasaiko-31@ca.thn.ne.jp


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【New 2025/7/22 更新!!】

東海道箱根西坂〜三嶋宿 「ミシマサイコの会」では、「ミシマサイコの会」会員紹介にて記載のように2002年より ”豆州ミシマサイコ播種体験” を開催して参りました。播種会にて20年来使用されている ”豆州ミシマサイコ” の古郷は、「ミシマサイコの会」会員紹介【I】や「ミシマサイコ」情報【I】に記載のように豆州南伊豆町です。

先般、第1回の播種体験会を開催された大沼倶夫氏にお話をお伺いする機会がありました。長年、ミシマサイコを愛でてこられた大沼氏は、本来、ミシマサイコが自生していた南伊豆・下田〜沼津アルプス・東伊豆〜函南・十国峠・熱海箱根峠・箱根西麓〜富士山麓・裾野・御殿場などの野山にミシマサイコが再び根付き、自然と共生していってほしいという、決して冷めることのない熱い想いを胸に灯し続けておられました。昨今の温暖化や異常気象、さらに陽当たりの良い丘陵地の土地利用や里山整備のあり方の変容により、環境条件が大きく変わってきています。発芽から初期生育までの成長が緩やかなミシマサイコにとっては、そうした中での自然との共生はいっそう難しくなっているのかと思われます。

これに対して、播種会/種まき体験会・ミシマサイコフェアなどを通じて ”豆州ミシマサイコ”のタネ提供は23年が経過しました。近隣にお住いの三島市民の皆さまをはじめ、静岡県内外よりご興味を寄せてくださった多くの方々に ”豆州ミシマサイコ” のタネを手に取って頂いたことと存じます。東海道箱根西坂〜三嶋宿発 ”豆州ミシマサイコ”、まだまだ野性の気配を残した、どこか気まぐれな薬草でありますが、皆さまの身近な環境の中で、元気に根付いてくれていれば幸いです。




ミシマサイコのペーパーポットによる苗づくりの試み

ミシマサイコは、春や秋といった適した気候条件下でも発芽率が50%を超えることが難しく、発芽までに日数を要するうえ、初期生育が緩慢で苗の生育も不揃いになりやすいという課題があります。特に、施設園芸や苗の供給を前提とした場合、種まき後にある程度揃ったサイズの苗を安定的に供給できる栽培技術の確立が求められます。さらに、ミシマサイコは直根性であるため、移植の際には主根を傷つけずに植え替える必要があります。そこで今回、これらの課題解決の一助として、日本甜菜製糖株式会社(ニッテン)の紙製の育苗容器ペーパーポットの活用の可能性について試験的に検討を行いました。

検討に際し、播種セットの貸与およびペーパーポット(No.2-264 (径3cm x 高さ10cm) 12列 x 22段 264本)(写真 @) サンプルの提供、播種器材の使用方法をご指導頂きましたニッテン紙筒事業部 渡部航平・小松大祐さんに感謝申し上げます。種まき用の培土は、「ミシマサイコ」栽培情報に記載のように富士砂:鹿沼土:赤玉土=1:1:1を用い、元山和男会員より頂いた2022年産豆州ミシマサイコのタネを、1穴あたり数粒毎、手播きしました。

初回は、2024/2/27-28に播種し、トレイを春北風から守るためビニル袋に包み陽当りの良い菜園に置きましたが、8/27まで発芽は見られず、廃棄しました。

次に2024/5/12に植木鉢にたっぷりのタネを播種したものと並べ、再度、ペーパーポットに播種しました。1ヶ月後、植木鉢では発芽が見られましたが、ペーパーポットでの発芽は見られませんでした(写真 A)。更に1ヶ月経過した7月初旬まで待つことにより、ペーパーポットにおいても発芽が観察されました(写真 B)。

発芽したミシマサイコは、2024年の猛暑の夏においても、ペーパーポット内で緩やかに生育し、本葉も複数枚育みました。約20株は、11月14日にプランターへ移植し、その状態で冬を越しました。残りの株は引き続きペーパーポット内で冬を越し、今春(2025/4/9)、本葉がしっかりと展開した29株を9cmポットに移植しました。

2025年も猛暑予想の中、三島市においても6/15以降、日平均気温が25℃を越え、6/17には最高気温34℃が報告されました。7月4日に気象庁から 「東海地方が梅雨明け」との発表がありました。平年より15日早い梅雨明けとなり、厳しい暑さが続く中、我々は熱中症対策に追われる毎日です。

一方で、ミシマサイコにとっては、黄色い小花が咲き始める盛夏の訪れです。年々、厳しくなる猛暑により、開花の遅れが懸念されましたが、7月12日には地植えのミシマサイコにおいて、複数の黄色い小花の開花が確認されました(写真 C左)。

プランターで育成中のミシマサイコも順調に成長しており、丈は50cm以上に達し、蕾もちらほら顔をのぞかせています(写真 C中央)。また、ポット栽培のミシマサイコについては、一部に移植定着の失敗が見られたものの、23株が苗として提供可能な状態まで育成されました(写真 C右)。


紙製の育苗容器ペーパーポット264穴にミシマサイコを播種したところ、今回の検討において、初年度に約1割、翌シーズンに約1割程度の苗ポットを調製できそうでした。本システムは、コンパクトなサイズで種まきを集約的に行える上、10cmの深さに根が紙筒の中に納まり、発芽・生育した株を紙筒ごと容易に取り外せるという点で、とても簡便で便利な方法だと感じました。ただし実際には、発芽しないまま無駄になる培養土入りの紙筒が7割以上にのぼり、ミシマサイコの発芽率の低さがあらためて課題であることが再認識されました。

お話、お寄せ下さい!

「ミシマサイコの会」

 本会は、2014年2月23日、10回以上回数を重ねてきた三島自然を守る会主催の「ミシマサイコ学習会」にて、三島で絶滅状況にある可憐な黄色の花が咲く薬草ミシマサイコの復興を目指し17名で活動をスタートしました。

 ミシマサイコは、その根が漢方薬に用いられる生薬:サイコ(柴胡)の基原植物です。柴胡は、中国最古の薬物書『神農本草経』(1〜2世紀頃の編纂?)の上品(長期服用が可能な養命薬)として、また、日本現存最古の薬物辞典本草和名(918年に編纂)にも収載される伝統ある生薬です。

三島は、江戸時代、旧東海道の箱根西坂の宿場町として栄え、箱根山麓〜富士山麓〜天城山麓/伊豆半島で自生・採集され三嶋宿に集荷されていた柴胡の評価が高く、薬草名としてミシマサイコと呼ばれるようになりました。かつては関東以西、四国、九州などの山野に自生していましたが、乱獲され、今や環境省レッドリスト2017では絶滅危惧種U類 (VU) に指定されています。

 私達はこのような現状に鑑み「三島柴胡(ミシマサイコ)」をもっと市民に周知し、環境保全とともに一株でも多くのミシマサイコが街並みを飾ることができればと願っている次第です。

【活動内容】
◎ 種蒔き体験・講習会
◎ 地域連携活動の促進
◎ 講演会・勉強会の開催
◎ ミシマサイコ知識の深耕・情報収集
◎ 会員情報交換会
         など

《会員募集・お問い合わせ先》


 東海道箱根西坂〜三嶋宿「ミシマサイコの会」に興味のある方には会員となって、一緒にこの地域・活動を盛り上げていただきたいと思っております!
どうぞ皆さまのご支援・ご協力、よろしくお願いいたします。
☆正会員:年会費 2022年度より無料

 皆さま、一株でも多くのミシマサイコの種蒔きを行い、「夏の豆州の風物詩」可憐な黄色のミシマサイコの花を育んでいきませんか?


⇒「ミシマサイコの会」 mishimasaiko-31@ca.thn.ne.jp
⇒ 会長:星野建司 kenji-hoshino@ny.thn.ne.jp