ミシマサイコの会

”豆州ミシマサイコ種まき体験会”の輪

ミシマサイコの会では、毎年、ミシマサイコ種まき体験会を開催しております。


【2022/7/23(土)】9:30〜11:00 北上文化プラザ/北上公民館
種蒔き体験会参加者の藤枝市在住のD.Y.さん方から下記のご質問を頂き、フォローアップを行いました。明快な唯一の正解があるものかわかりません。今後もご意見を頂きブラッシュアップしていきたいと思っておりますが、6月7日「ミシマサイコの会」情報交換会にて会員各位から出された意見を現時点の見解★★★種蒔き栽培Q&A★★★としてシェア致します。


  • @ 2022/3/6ミシマサイコフェアにて入手したミシマサイコのタネを自宅と山間地の畑に種蒔きし、2ヶ月経った今、発芽ゼロという状況です。芽が出ないものの考えられる要因について、ご教示頂ければ幸甚です。

  • A 2022/3/6ミシマサイコフェアの種蒔き体験会にて種蒔き頂き、持ち帰ったミシマサイコの鉢から多数発芽が見られ、鉢分けや植え替えが必要と思いますが、その時期とやり方をご教示下さい。


ミシマサイコは、発芽率が低く初期生育が悪く、不揃い・不安定と言われます。
まだまだ山野草の性状を保持しておりますが、上手く条件が揃うと1ヶ月〜1ヶ月半で発芽致します。会員の方から、2〜3ヶ月で発芽してきたという意見や、去年発芽しなかったところで、今年、発芽してきたというご意見もありました。


  • @ 【芽が出ない要因】
    ホームページの ”ミシマサイコの育て方(簡易マニュアル)” において、生育環境は日当り風通しが良く、排水の良い土壌が適すると記しております。地温約15℃以下、25℃以上で発芽しないという情報があり、陽当り良好な南〜南西斜面で水はけのよい環境で、乾燥し過ぎず(草や茅、切りわらで乾燥を防ぐ)水のかけ過ぎにもならないように栽培されていることと思います。
  • その上で考えられる要因:
    ★タネへの陽当りが足りなかった可能性:種蒔きにおいて、土を<8〜10mmとか<5mm位かけ軽くおさえるとマニュアルに記載しております。会員の声として、雨などでタネが流されてはいけませんが、かぶせる土は<2mmとか、特に、土をかけないでおさえるだけでわら掛けする程度で良いというご意見がありました。
    ★今年の気温変動において地温が上手く適さなかった可能性:過去に、鉢・ポットなどをコンクリート上、ベランダにおいて地温が上がりすぎ発芽しないという経験がありました。今年、休耕地に播種した方も発芽が思わしくなく、今年の要因として、早めに種蒔きした場合、発芽に時間がかかり、播種後に低温な時期が数回あり、発芽に必要な地温の確保が不十分であった可能性も考えております。ポットは容積が限られ、小さいポットでより温度変化が急だった可能性も考えられます。
    ★ミシマサイコは肥伏な培土より、発芽においては山野草の土、富士砂・赤玉土・鹿沼土のみで十分です。既に施されているとは思いますが、茶園の場合、酸性土壌で窒素・リン・カリなどの蓄積傾向がある可能性があり、酸性を中和させる調整は必要かと思われます。

  • A 【鉢分けや植替え】
    ミシマサイコフェアにて種蒔きされた鉢について、直根性のミシマサイコは根の発達が生育の要で、根の柴胡を育む為には植替えはあまり推奨されません。
    初期の栽培管理としては、発芽は普通播種後約1ヵ月で始まり,発芽が完了するまで2週間近くかかると言われ、ミシマサイコフェアでお持ち帰り頂いた鉢は、そのように順調に育っているように見られます。生育初期、現状、必要ないかもしれませんが適宜除草に努めながら、葉長が3cm程(厳密ではない)に伸びた頃から,密生している所を2〜3回にわたり間引きし、株間5〜10cmの千鳥状に間引くと言う情報もあります。間引く際、根が絡まり合っていることもあり、抜くことはしないで間引く方の根元をハサミで切るようにする方が良いという意見もありました。
    特に、根の柴胡生育と言うより、株を増やす為に植替える場合、ミシマサイコの葉が二枚程度でも、根はけっこう長く伸びているので、根を傷めないようにということが第一義の重要事項です。ある程度生育したモノの植替えは、鉢をたっぷりの水バケツに浸し、根を傷めないように土付きのまま植替え先の土壌も水をたっぷり溜めて移植します。一方、密生した苗を分ける際は、比較的小さい苗の内に根を傷めないよう取り出し、苗を水中で優しくほぐし、土は落ちてもやむを得ず、できるだけ根を傷めないように分けることができた苗を植替えるようにします。


【参考資料】
・山形正道(山形薬用植物園) 2016. ミシマサイコ(柴胡)の栽培について.  薬用作物産地支援 栽培技術研修会 平成28年9月7日(水)〜8日(木)
・医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター. 薬用植物総合情報データベース-植物体栽培及び植物の効率的生産法 -ミシマサイコ- [播種・定植および育苗 春播きでの播種期は関東地方では3月中旬〜4月上旬であるが,暖地では半月ほど早くなる.播種量は10a当り約1 kg ( 2 L)を標準とする. 500gでも十分な量ではある が,あまり薄播きにすると十分な株数を確保できないことがあるため,やや厚播きし,後に間引きを行うほうが無難である. 種子は条播し,約5mmの覆土をして軽く鎮圧する.もみがら,切りわら等を散布して乾燥を防ぐとよい.
管理 発芽は普通播種後約1ヵ月で始まり,発芽が完了するまで2週間近くかかる.このため,生育初期の雑草防除が肝要で,適宜除草に努める. 葉長が3cm程に伸びた頃から,密生している所を2〜3回にわたり間引きを行い,株間5〜10cmの千鳥状にする.また,除草の際,追肥,中耕も兼ねて行う.管理作業は茎が伸びてくると行いにくく,夏の高温,乾燥時はかえって害になるので,梅雨の明ける頃までに行う.
・吉田 茂敏(大分県農業技術センター) 1998. ミシマサイコの安定多収栽培法. 日作九支報 64:62-64.


【2019/4/14(日)】10:00-12:00 エコセンター(旧三島測候所庁舎)北側庭
参加された方々からお便りを頂きました。