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里ばやし・道ばやし・山ばやし・松ばやし・吉野ばやし・時雨ばやし・祇園ばやし
 三嶋大社の夏祭にはシャギリを中心に演奏しているのが現況なので、曲名だけが残り演奏不可能な曲もある。昭和42年市の指定を受けた7曲のうち、吉野ばやし・松ばやし・祇園ばやししか伝承されていない。シャギリとお囃子の区別は、曲調そのものに明確に表れており、演奏される場面も異なっていたといわれる。すなわち、お囃子は、シャギリのテンポの良さに対してゆったりとした曲調であり、優雅さをたたえている。また、いずれの曲も山車の停車中に演奏されるところは、宿内の旦那衆の家を門付けしていた名残と思われる。
 《松ばやし》 3曲の中で最も静かな曲調である。その音調は、涼しげな秋を思わせるといわれる。演奏中、「ヨオ」「エンヨ」「ソラ」「一イ」のはやし詞がかけられる。
 《祇園ばやし》 京都の祇園会の流れをくみ、比較的ゆるやかなテンポで優雅さのただよう音調となっている。演奏中、「ヨオイ」「エンヨ」「ソラ」のはやし詞がかけられる。
 《吉野ばやし》 陽気で明るい春を思わせるような穏やかな囃子である。演奏中、「ヨオイ」「ハア」「エンヤ」「ソラ」等のはやし詞がかけられる。
 廃れてしまったが、里ばやしは新春を寿ぐ穏やかな曲調、道ばやしは5月ごろののどかな街道姿、山ばやしは夏山をかける勇壮な囃子、時雨ばやしは初冬に降る時雨の情景を演奏したものと推定される。
▲大鼓 大鼓の皮は炭火で暖め伸ばしてから締める。左脇に抱込むように持つ。▲小鼓 右翼に担ぐように持つ。

資料:三島市教育委員会作成「ふるさと民俗芸能ビデオNo.29 三島囃子」より