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神楽昇殿・荷崩・四丁目・速・雷電(大間)・鎌倉・屋台・切り囃子
《昇殿(しょうでん)》(奉納囃子) 神楽昇殿と呼ばれる。山車の引回し前に、三嶋大社前で神前に向かって演奏する。音調はゆるやかに静かに響き、荘厳さがある。
《荷崩し(にくずし)》 調子のよい曲で、この曲に合わせて山車上でヒョットコ面をかぶって踊ることもあるという。山車の引回し中、停車中に演奏する。
《四丁目(しつちょうめ)》 大太鼓・小太鼓それぞれの演奏に聞かせどころのある曲である。
 曲の終盤に大太鼓・小太鼓が一緒になって盛り上がる。演奏者にとっては間の取り方がむずかしい曲である。
《速(はや)》 屋台によく似た曲である。文字どおり音調急な曲で、演奏は引回し中でも停車中でも行われる。
《大間(だいぜん)》 この曲の演奏は伝承されていない。昭和55年、三島ばやし保存会は本曲にかわるものとして、新たに「雷電」を演奏した。大間と雷電が同曲であったかどうかは不明である。
 *雷電(らいでん):篠笛の入らない曲である。大太鼓と摺鉦(すりがね)の激しいテンポのリズムは、雨を呼ぶ夏の雷を思わせる。山車の引回し中も停車中も演奏される。
《屋台(やたい)》 別名けんかばやしとも呼ばれる。セリアイで演奏される勇壮な曲である。セリアイでは相手のリズムに巻き込まれた方が負けである。
《鎌倉(かまくら)》 別名もどり囃子とも呼ばれる。テンポのゆるやかな曲調は哀調を帯びている。演奏は山車が引回しを終えて、当番町に帰るとき、必ず行われる。
《切り囃子(きりばやし)》 セリアイや山車引回しの最後に必ず演奏されるごく短い曲である。戦い済んで、互いの熱演をたたえあう手締めの意味をもっている。


 はやし詞には「ソレソレ」「ソリャソリャ」「コリャコリャ」「オー」「ヨー」「コラショイ」「コラコラ」「ソラソラ」等があり、囃子方と称する係が大勢で、囃子の間合いにかけている。神楽昇殿には「ソレ、ソリャソリャ」「コリャコリャ」が主としてかけられ、その他の曲には「オ」とか「ヨオ」が多用されるようである。また鎌倉といわれる戻り囃子の合間には「コラ」「コラショイ」がかけられる。

資料:三島市教育委員会作成「ふるさと民俗芸能ビデオNo.29 三島囃子」より