説明 |
昔、この地に延喜式内父梨(ててなし)神社があったが、この神社が焼けたあとに石の地蔵を祀った地蔵堂が建てられた。頼朝が通りかかった際に鬼女の左手を切り落としたが、次の朝、地蔵の左手が落ちていたという逸話が残る。地蔵堂の中の手無地蔵は秘仏とされ、60年に一度開帳される。毎年7月23日の祭日には、地蔵堂の中の「お前立」(本物に似せた像)を見ることができる。
【源頼朝にまつわる逸話】
源頼朝が三嶋大社にお参りした折り、今の手無のところを通ると、美しい女の人が後をつけてきます。あやしい気配を感じた頼朝は、知らないそぶりをしていました。それから毎夜、頼朝がここを通ると、同じように女の人が後をつけてきました。しかし、あえて知らないそぶりをしていると、ある時その女が声をかけてきました。 「うるさい」 と怒り声をあげた頼朝が、その女の片腕を刀で切り落としまし た。女は地蔵でした。地蔵はこの時から手なしになり、手無地蔵と呼ばれるようになりました。この時頼朝が刀の血を洗った川は、血の川と呼ばれたそうです。 |